専業主婦は暇?
第二子を出産したときに仕事をやめて、ワーママ→専業主婦へとシフトチェンジした私。
仕事をやめたので、上の子は保育園→幼稚園へ。
(保育園から幼稚園へうつることで、濃密なママ友付き合いがスタートしたのもこの時から)
下の子は家庭保育。というスタイルで過ごすことに。
「専業主婦」を、いつか経験してみたい、という憧れにも似た気持ちを思っていた私。
正直言って、
専業主婦になれば…暇な時間もできる。
と思っていたのです、その時は。
- ワーママ時代よりも、ゆっくり子どもに向き合うことができる。
- おかし作りも子どもと一緒にできるかも。
- 家の中もすっきりさせて、インテリアにも凝りたい。
- 暇な時間ができたら、語学の勉強でも。
ととても期待していました。
しかしそんな儚い期待はすぐに打ち砕かれます。
専業主婦のリアルな1日
まず、下の子が家庭保育の状態での専業主婦。
これって、育休中の状態と何も変わらないんですよね(当たり前だけどさ)。
24時間、小さな幼児のお世話にかかりきり。
経験した人ならわかると思いますが、何一つ、基本的に思い通りにはなりません。
- さまざまな要求に休みなく応え、休憩なし
- 世話に追われるあまり、どんどん放置される家事(洗い物は出しっ放し、洗濯物干しっぱなし、ゴミ捨ていけない、夕飯の準備できない)。
- ずっとかがんでお世話で、ひどくなる腰痛&肩こり。
そして、14時すぎには幼稚園のお迎え。
下の子より扱いに難易度の増すお年頃の上の子と対峙する時間、到来。
そしてそこから日暮れまでの全力の公園遊び…!(下の子抱っこ紐で子どもを追いかけ回す)
なかなか帰りたがらない我が子をやっと説き伏せて(キレて)帰った17時、
夕ご飯のしたくなんて全然できてやしない…。絶望。
とりあえずご飯の早炊きスイッチオン、お味噌汁(わかめと豆腐をぶちこんだだけ、)冷凍魚を焼く…。
その隙間に、砂遊びでどろどろになった子どもたちをお風呂に入れる。
下の子が溺れると怖いので目は離せない。
そして、遊び疲れて、すでに眠くてぐずつき始めた子どもたちに、なんとか夕食を食べさせて、はみがき、せがまれて絵本…。
そうやって1日が終わります。
ぐったりです。
専業主婦、全然暇じゃない。
というか、息つく暇ないほど、壮絶。
保育園に子どもを預けて仕事して、17時にはお迎えにいって、夕飯作って食べさせて寝させるだけのほうが、楽だったな…と思うことも、正直ありました。
もちろん、仕事だって大変でした。
仕事特有のピリピリした緊張感とか、面倒臭い人間関係とか、責任の重さとか、もちろん仕事で大変だと思うことも、たくさんあります。
(✳︎しかし人間関係の面倒くささに関しては、仕事より幼稚園のPTAのほうが何倍も壮絶でした)
でも仕事は、集中できる時間もある。責任もあるけれど、割り切れる部分も多い。
専業主婦で24時間、我が子の育児をする、命や将来への責任感の重さとしんどさは、仕事とは別の、なんというか、精神的にじわじわくる、途切れることがない疲れとプレッシャーがありました。
参考ブログ:【専業主婦になりたい!】仕事と家事に疲れきったワーママだった私が実際に専業主婦になってみて。
専業主婦って暇でしょ?
「専業主婦って、一日中何やってるの?」
「暇でしょ?」
とどストレートに言われたこと、何回かあります。
そのたびに、
えっ!
と一瞬フリーズするのですが、
「そうか。やったことない人には分からない世界だよなあ」
「暇そうで、子どもと一緒にいてラクそうに見えるんだよなあ、、あちら側からしたら」と、
相手が急に遠い世界の住人に思えてしまうことも。
でも言っているひとには悪気はないんですよね。
私自身、まだ独身だった頃、似たような発言を、育児中だった友人にした記憶があります。(数年後にブーメランとして返ってくることも知らずに)
本当に、分からないひとには分からない。専業主婦のリアルは。
実際にやってみて、私も初めて専業主婦のリアルを感じました。
子どもとただ一緒にいるだけで、社会で社会の不条理と戦わなくても良い。
お金も稼いでないし、税金も納めてない。
昼寝だって、こどもと一緒にできるし。
稼いでくれるひとがいるからそんな生活できるんだよね。
いいなあ、ぬくぬくしてて。
こんなところでしょうか。
毎日、やることあるの?
と面と向かって言われたことも。
専業主婦なんてしてないで、税金おさめなよー、とバリキャリの友人に冗談で言われたこともあります。
わかっちゃいるけど、
(相手が想像できない世界に、私は今いるんだ、と)
やっぱりそういう風に言われると悲しかったり、自信を無くしたり、自分のやっていることに否定的な気持ちになることも。
頑張ってるのに。
専業主婦が自尊心を持ちにくい理由
専業主婦って暇でしょ?
と言われて、
真っ向から否定する!
という専業主婦って、意外と少ないんじゃないかな。と思います。
私自身も、「暇なんでしょ?」と直接言われたら、
「えー全然そんなことないよけどなあ」
とやんわり否定するか、
「うーんどうだろう、大変なこともあるけどね」
とか、ゆるく答えて終わらせてしまうことも多いです。
同じ立場になってみなきゃわからないだろうから、議論してもしょうがない、とあきらめの境地。
でも…、
最近は、世の専業主婦の地位向上(?)のために、もっとそういう声に対して戦うべきか?と考えたりすることも。
もっと、誇りをもって、
専業主婦です!大変です!家族のために時間と労力全部捧げてます!
暇じゃありません!
と言いたいけど、専業主婦が誇りを持つ、専業主婦という仕事にプライドを持つことが、難しい要因が多い。
忙しくて重労働だけど、
- やることが細かいマルチタスクだらけなので、これをやった!という充実感がない
- ひとつひとつの家事は、確かに誰でもできるものが多い(しかしそれを毎日、マルチタスクでこなし、家庭を切り盛りする「ジェネラリスト」としての仕事は、とても大変で難しい)
- 給料がない
- 家族も、「やってもらって当たり前」と思ってたりする
とにかく。
仕事の内容の大変さが伝わりづらく、評価されにくく、おまけに感謝もされなきゃ給料もでない。
そういうわけで、いまいち自信を持てずにいる、謙虚な専業主婦のみなさんの多いこと。
でも、これだけのマルチタスクを1人でこなして、家族ひとりひとりに合わせた支え方、誰も気づかない仕事を黙々とする、愛情を持って、責任を持って続ける…、て
そんじょそこらのバリキャリ風情(すみません)より、ずっと大変な仕事を、文句も言わずにこなしていて、本当にすごいと思っています。
同じことしろ、と言ってもできないバリキャリさんもいるでしょう。
もちろん、なにごとも向き不向きがあります。
向かない人は、やはり平日ガッツリ仕事して、仕事をして得たお金で、ルンバなり家事代行なりを使って家庭の家事をまわして、子どもの勉強を見ないかわりに、高額な塾に行かせる生き方だってもちろん有り。
専業主婦が家庭のことをしっかりやっているおかげで、夫は仕事に全力を出せたり、子どもが15時に家に帰っておやつを食べられたり、土日に習い事や塾にいかないでゆっくり過ごせたりする、てのも有り。
どちらだっていいの。
だから、どちらがどうだ、と言うこと自体、そろそろやめる時代になってほしい。
そして、専業主婦が暇だ、という軽んじたイメージもなくなってほしい。
女性って、どんな選択にせよ、なんか色々言われるんだよね…。
これからの時代は多様性の時代。
どんな選択でも、温かく応援してくれる雰囲気がある世の中になれば、世の女性はもっとのびのびと能力を発揮できるようになるんじゃないかな!と願います。