子育て中のストレスとどう向き合うか
30年以上生きてきて、どうにもならないストレスと向き合った経験は、
- 先生が厳しくて情緒不安定になった小学6年の頃
- 仕事を始めた駆け出しの20代半ば
- 子供たちがちっちゃかった30代半ば
です。
そう考えると、10年周期で、ストレスで底を見るスパン(今気づいた笑)。
でも、一番追い詰められたのは、やっぱりワンオペ育児の30代半ばな気がします。
毎日が目まぐるしくて、忙しくて、自分の時間が取れなくて、休めなくて、外出もできなくて、自分のために何もできなくて、
「消えてなくなりたい」
という気持ちになりました。

「消えてなくなりたい」という気持ちになったのは、人生で初めてで、そこまで気持ちが追い詰められると、なんというか、心が凍る、というか、心が固まってしまう、というか、もう、他人のどんな優しさも、助言も、心が何も耳に入ってこなくなってしまう。
自分でSOSを出す気力も失せ、ただただ、ラクになりたい、目の前の現実から逃げたい、という気持ちだけ。それしか考えられない。
限界を感じたある秋の夕方、夫に頼んで早く帰ってきてもらい、子供を託し、近所の心療内科に駆け込みました。
駆け込む気力が残ってただけ、よかったと思います。
心療内科の医師にじっくり話を聞いてもらったあと、その医師がひとこと
「あなた、そんな生活してたら、おかしくなるの当たり前ですよ」
と言われました。
毎日のワンオペ育児、夫の休日はパート、PTA活動も盛りだくさん、休む暇はなく、気を張る現実ばかり。
「薬を出しても良いけど、それより、まず休んでください。休む時間を作ってください」
と。
軽めの安定剤を処方されて帰宅した私は、夫に説明。
夫はどこまで理解してくれたかは謎ですが、
- 私のパートを減らす
- 一時保育を積極的に利用する
- 一時保育が取れないときはベビーシッター、ファミサポを利用する
- 休日は一人の時間を必ずもらう
- PTA活動も、無理しない(全部出席したりしない)
ということで、ひとりでむやみに抱えていた重荷を、具体的に減らす取り組みをしました。
一時保育やベビーシッター、ファミサボの登録とか予約って、結構(いやかなり)面倒で、ずっと敬遠していたのですが(疲れているときに、そういう手続きはより疲れる)、夫にも事情を話して手伝ってもらい(私はもう、手続きとかできる状態じゃなかった)、なんとか利用を始めることにしました。
その結果、まあ、全快、とまではいかないけれど、
最悪な状況からは脱することができました。
あの時、夫が利用の手続きを手伝ってくれなかったら、今はなかったと思ってます。理解してくれたことは嬉しかった。

子育てのストレスは一人の時間がないと癒されない
子育てのストレス解消法、色々な情報が世の中には出回ってますが、
究極的には
「子供と離れてひとりで過ごす時間」
を得ることでしか、子育てストレスを癒す方法はない、と思ってます。
ママ友とおしゃべりする、とか、支援センターに行く、とか、子供と一緒の状況、ましてや他人と接触しなくてはいけない状況、というのは私にとっては、リラックスどころか、より負担にしかならない、ということもはっきり分かりました。
自治体の子育てSOSの電話相談にも、電話をかけたことがあります。
親切に優しくお話を聞いていただけて感謝でしたが、でも、私はストレスについて喋ることですっきりするタイプでもなく、途中からなんだか辛くなって、早く電話を切りたくなってしまいました。
わたしは、ただただ、子供から少しの時間でいいから離れて、ひとりになりたかったのです。それを助けてほしかっただけ。
(HSPの人間は、ひとりの時間がないとバランスを保てない傾向があります)
ワンオペ育児、かつ実家も遠方のため、なかなか子供の預け先がなく、常に子供といることがマストだった背景が、どんどんストレスをこじらせていく一因だったと思います。
ひとりになるための手段。
具体的には、ファミサポとか、一時保育とか、ベビーシッターとか。
どれもお金がかかるし、贅沢わがままな気がするし、手続き面倒だし、予約取れないし、と気が進まない理由はいくらでもありましたが、結果的には、勇気を出して助けを求めて本当によかったと思います。
子供を預けて、自分だけの時間を手に入れ、ポカンと誰に気兼ねすることもなく空を眺められたとき、固まっていた心が、少しずつほぐれるのが分かりました。
自分を、取り戻していく感覚。
涙は出ませんでした。
ただただ、気持ちがほっとして本当の意味でリラックスできたのは、この時が、出産後初めてでした。
一人になりたい、は、ママ失格ではない
あの頃は、子育て失格だとか、母性がないだとか、自分を責めたい気分に駆られることがよくありましたが、今、数年経って思うのは、
「あのときの自分を恥ずことは何もない」
ということ。乳幼児の育児は、本当に、本当に過酷です。
(もちろん、向き不向きはあると思います。)
自分だけ我慢して、頑張ろうとするのは、非常に危険。子供の命も、自分の命も、危険にさらすほどの事態につながることだってある。
あの時に子供を預ける手段を開拓し、最悪な状況から自分を回避させることができたことを、ほめてあげたい。
一人になる時間を、無理やりでも作った自分を、ほめてあげたい。
そうでなければ、本当に無理だったと思う。
今でも、あの時、夕方、泣きわめく子供達を膝に乗せながら、疲れ切った心で夕闇のベランダを眺めて「もう消えてなくなりたい」と思ったリアルな感触、決して忘れることはないと思います。